第5回 高齢患者さんの糖尿病治療

Q. 高齢の糖尿病患者さんが治療をするうえで、問題になる点、改善が必要な点など

A. 医師・医療スタッフのホンネ 1(全1ページ)

  • 認知症、独居
  • サポートとしてくださる家族や友人、知人がいない独居の方の急変に対応できない点と、生活保護を受けている方や年金のみの生活の方の合併症の治療で必要となる食材が高額で利用ができない(腎不全治療のための食材が買えないことや魚や野菜高騰により安価な肉や単品で食事を済まされるなどで、血糖コントロール不良、栄養不良となりやすいことなどがあります)
  • 通院加療困難なこととか薬剤服用コンプライアンス不良なこと。
  • まず家族のサポート体制がどうなっているかなどを考えがちだが、もちろんそれも重要だが、本人ができることはそのまま引き続きしてもらおうという視点が、医療者側ではやや不足がちと感じる。また実際に家族のサポートが必要な場合に家族がそのことを理解することが難しい現状がある。
  • 独居で介護が必要な方が糖尿病である場合、急性合併症の対応が遅れるのではないかと気になります。
  • 低血糖視力低下・老化に伴う服薬間違い
  • インスリン注射は他の誰かにしてもらう。薬はできるだけ1包化する
  • 今までのその方の生きてきたスタンスによって問題が生じている場合や、生きる楽しみが問題になる場合は、ゆるくやんわりと指導を進める。指導の前に、その人がどう生きてきたか、その方が物事を決定するときに大事にしていること、指標にしていることなどを聞き、改善するうえでのヒントとする。1人、1人に合わせた方法があると思う。
  • DMコントロールができる安定した経口降血糖剤で、内服の頻度が少ない薬剤が発売されるといいと思う。誰かが、ピンポイントで内服確認ができるのがいいと思うが老々介護の場合は特に必要となってくる。
  • 服薬管理が困難になり、注射も自己で行うことが難しくなります。お薬の数はなるべく減らし、内服も一包化等の工夫が必要と考えます。
  • 患者様をささえるご家族や地域の医療、介護のスタッフのサポートがぜひ必要とされると思われるが、今のところ訪問診療、看護、栄養指導等のスタッフが少ない。
  • 介護施設との連携が不十分、家族との連携等。
  • 現在、まだ何とか対応しているが、患者数が増加の一途をたどっており、そのうちすべての患者に対応できなくなると考えられる。サポートするべき家族がすくない、あるいは無関心。
  • 患者さん家族の治療への参加が重要になる。独居の患者さんのサポートをどうするか。
  • 食事摂取量の変動があっても低血糖など急性合併症を起こさない処方内容であること。 インスリンを理由に入所を拒否される。
  • インスリン注射を正確に打てているか、確実に内服できているか、サポートパーソンはいるか。患者様の人生全体のライフデザインを配慮し、合併症を全て把握した上で、何をアウトカムとする治療をするべきかを明確にした医療を提供することが必要。単に、目先の血糖値やHbA1c だけを下げる(ないし糖尿病学会 熊本宣言のHbA1c )にすることだけの治療で終わっていることが多すぎる。少しでも無駄なく、アウトカムを明確にした、スマートな医療を提供できるような社会体制を作る必要がある。
  • 独居でキーパーソンがいないといった症例が増えてきている。施設職員がキーパーソンといった例もある。離別も増加しており、家族関係の希薄さが、どんどん増していっている。
  • 服薬、注射管理ができていない、高齢独居者が多い、家族の関与が希薄
  • 今までできていたインスリンや内服薬の管理ができなくなったり、独居の患者さんのサポートもままならない
  • 薬が飲めなくなる。(残薬が多い)自分の身の回りのことができなくなり、食事も偏りがでて、欲求を抑えられなくなり、間食が増える。
  • 視力、聴力障害や認知症なので指導しても習得困難だったり理解度が悪く繰り返し、繰り返し指導が必要なこと。
  • 服薬管理、食事管理、運動管理など。家族も高齢であったり、夫妻のみであったりと、 本来このような管理ができていたら数値が安定しているかもしれないのにできない状態に問題だと思う。
  • 自力で移動できるひと、独り暮らしなどでは好き勝手に買い物して食べ過ぎてしまったり、薬の管理が自分で出来てるつもりで出来てなかったりすること。自己注射などがむつかしいこと。
  • 病識がないため食事、水分制限がまもれず心不全を繰り返す。何度も栄養指導を行うが効果が得られないため、患者さんのメンタル面の介入も必要だと思います。
  • 認知機能
  • 認知症状の周辺症状がひどい場合でかつ家族の介護力がないまたは、非協力な場合。特に金銭的な問題が必要な場合は問題になる。
  • 複数の病気を持ち糖尿病以外の治療の割合が大きくなり、糖尿病治療がおろそかになってしまう可能性。認知症による病気への理解に対する低下。老老介護による内服コンプライアンス等の低下。
  • 認知・身体機能低下による療養能力の低下。老老介護によるサポート力の低下。社会サービス介入の業務的限界。経済的理由
  • 食事が不規則でコントロールが難しい。
  • 独居の場合の服薬管理、インスリン管理をどうするか。シックディ対応について。
  • インスリンをしている患者様は、手元の手技やインスリンの単位が見えずらくなると感じる。
  • 認知症がどれほど進んでいるか、どの程度自己管理できているかの把握
  • 一人暮らし、または老老介護が多く、目に見えた変化が無ければどんなに検査値が悪くても、医師に注意されても危険性を認識出来ず、看護スタッフ(院内外)の説明やケアを受け入れられないこと。
  • 関連施設との連携
  • 毎食、ご飯を食べないといけないのか?用意が億劫だ
  • 複雑な治療方法にしない・重症低血糖防止
  • 和歌山県北部に位置する中核病院で勤務しており、年々高齢化が進む一方である。かつてバブルのころの新興住宅地も高齢の町として、老老介護もしくは独居老人の町として往診の需要が多い。しかし、医師不足、夜間の訪問看護師の不足があり、十分なニーズにこたえられていないことが現状である。若者の働き手の不足、高齢者の増加は糖尿病をはじめとする慢性疾患患者の先行きが不安である。自分にできることは何か、考えながら答えを模索している。
  • 合併症やほかの疾患を他院で治療している場合、高齢者はその内容や状況を的確に伝達することができない。当院では糖尿病連携手帳を希望者に看護師が検査結果を記入してお渡ししている。他院受診の際は受診先にお見せするようお願いしているが、なかなか定着しない。血糖コントロール状況を伝えることの重要性を理解できないでいる。お薬手帳のほうが重要なようである。薬剤情報も簡単に記入できる項目があるとよいと思うのだが。
  • インスリン治療が不可欠な方が入所できる施設が限られていること。
  • 理解力が悪くなり間食も我慢できなくなりさらにコントロールが悪くなる人が多い。低血糖を起こさないであるていどのコントロールを保ちながら治療するのが難しい。複雑な(インスリン頻回治療のような)治療ができにくい。薬の相互作用が起きやすくコンプライアンスも悪い。
  • 医療連携明確化が必要だと思います。
  • 転倒リスク、治療に対する認識、やる気が下がっている。
  • 治療法の選択や実施における責任の所在が不明瞭になりやすい。より良い結果を求める家族の希望と、実現可能性とのかい離が大きい場合がある。
  • 目標値、着地点の設定
  • 服薬管理、一人暮らしの食事管理。間食の量、食べたいときに食べたいものを食べている。
  • 当院の診療圏内では高齢者が多くさらに独居が多い。インスリン療法を継続しなければならない高齢者で独居患者も少なくは無い。安定した炭水化物の摂取、低血糖時の対応、通院手段、インスリン操作、自己血糖測定の評価、年金暮らしでの通院費用、食料の買出しなど問題が多すぎる。
  • 治療を正しく遂行できない。
  • 出来るだけ家族にも現在の患者さんの状態を知らせる為に、時々家族の同伴をお願いする。
  • 通院日や通院手段確保はできるが、独居や老老介護では日常生活(食事の買い物、調理や服薬、清潔など)全般、いわゆる生活の質の低下が問題であるため、在宅の様子を把握し、ソーシャルワーカーなども含めた支援が必要である。
  • 薬の種類が増えてくると思うが、うまく錠剤等を区別できるか、インスリンを打つ場合、正しくメモリを見ることができるかどうかといったことが気にかかる。錠剤は白ばかりにせず、あまりちいさくする必要はないように思う。
  • 入院しても入院が適応ではない(入院前の生活と入院では食事や生活に相違があり退院後も継続できない)入院中はインスリン・薬の管理ができても退院後に同じようにできない熱心な家族は血糖値を下げることに一生懸命で低血糖のリスクをなかなか理解できない
  • 適切な食事摂取が困難になること(買い物の問題、調理の問題、摂取量の問題)
  • 非専門医が採血もせず、漫然とDo処方をしており、HbA1c6%以下をコントロール良好と解釈していることがある
  • 一人暮らし、合併症により目が見えない、動けないなどのQOLの低下している方の支援方法が現在の介護保険では点数などの制限により難しい。患者自身が改善していく意識が薄いため治療、生活改善に積極的でない。
  • 認知症等で薬や食事の自己管理ができなくなった時の自宅や施設での支援など。施設でも対応できることとできないこともあるため。・糖尿病治療に関して、御本人だけからでは正確な情報が得られない。・サポーターがいない場合、安全なインスリン治療や内服治療の継続が困難。
  • 永年、継続指導していて、だんだんに認知に変化が出てきていても、本人は分からないでおられる時、どのように納得していただくのか、また、血糖コントロールを元気で居ることのハリにしておられる方が、歯や筋肉痛ほかで調子を崩された時、一気に血糖のことも何もかも自分には出来ないことだとガクッとなってしまわれるときの応援の仕方に困難を感じる
  • 低血糖もふくめて、重症化すること、他の疾患を併発さており、内服が、複雑化していることなど。
  • 理解度注意
  • インスリン導入が必要となった時、理解力が乏しく中々覚えることができないことがある。内服治療中の患者の残薬がバラバラで受診されることがあり、患者自身は「ちゃんと飲んでいる」と答えるものの定かでない時。
  • 問題に関しては認知機能の低下により、血糖値の変動が激しくなってしまうこと。改善が必要な点については家族や介護サービスをどのように介入し、どの部分を補っていくことができるか

    ・雑誌の情報や、テレビの健康番組、健康食品のCMを鵜呑みにし、無益あるいは、むしろ好ましくない健康食品を購入したり、誤った食事を摂る。
    ・認知症の患者様のインスリン注や薬の飲み忘れ、重複を予防できるシステムが必要

    当院では、個人差はありますが、生活の質が落ちない程度の血糖コントロールを目指しています。病識をもっていただこうとしていろいろ指導してきましたが、実際には相当簡単な表現でないととくに高齢者の方には強く響かないと感じています。動機付けが有効と考えています。全体に難しいことを伝えようとしすぎていると感じます。服薬管理を中心に、安全なレベルの薬の種類選択・投薬量を設定していただきたい。
  • 診療所で血糖降下剤を処方していても 糖尿気があります。との説明のため 患者は自分はまだ糖尿病ではないと とり注意しないで生活している。薬の効用を知らず食事の有無に関係なく服用し低血糖を起こし緊急搬送されてこられることが多い。
  • 医師によってはSU剤の大量投与を行い、低血糖を頻発していることが多くみられます。SU剤の使用基準を明確にし低血糖予防取り組んでほしい。
  • ある程度の年齢以上であると、年齢より自立度、環境の方が大きく影響していると思います。患者様の利用している支援を考えて最善の治療につながるように患者様ごとに考えていくのが良いと思います。医療スタッフが時間を作っていけるかが課題の一つになるのではないかと思います。
  • 訪問看護が週に5回入っても、ご本人に拒否されてしまうことがある。治療は本人が選択することだが、インスリン注射が出来ない現状、HbA1cはどんどんあがっていく現状。家族がいるのにもかかわらず介入してくれない家族関係。難しいです!!
  • 内服薬の整理、低血糖のリスクが少ない薬物療法への変更
  • 服薬管理→DOTS食事の管理→家族の重度の負担にならないような社会的支援身のまわりの介助→介護保険(適切な介護度)・在宅訪問医師や看護師
  • 食事量、バランスが崩れる。食事、運動の習慣が乱れる。服薬コンプライアンスが乱れる。
  • ある日急に認知症が進む事がある。受付で発見されることも多い。家族や親戚などキーパーソンと連絡をとり重大な事が起こらないように注意する。早期介入で症状が改善した経験がある
  • 垣根を越えた連携
  • 通院の介助がえられにくい
  • インスリン治療をする患者さんが入れる施設が少ない。
  • 高齢になるにつれ、関節疾患を持つ方が増えてきました。運動療法を指導していく上で、通り一辺の運動方法では無理が生じます。そこで、理学療法の立場からも、膝関節・腰部疾患があっても対応出来る運動方の開発・考案を常に行なっています。
  • 指導内容の理解ができるか。指導内容の再現ができるか。服薬の確実性があるかインシュリンの手技の確実性があるか。同居家族の指導をどこまで出来るか。同居家族がどこまで支援できるか。独居の時は誰が支援するか。市場の薬局薬剤師が地域の在宅薬剤指導に協力できる仕組みがないので体制を整えるべきではないか?介護保険の仕組みでは、介護士がどこまで薬剤服用を介助するのか?インシュリン注射をどこまで援助するのかが課題となる、在宅での看護師の業務は多大で短時間にいろいろな指導までするのは限界がある、このため薬剤の保管、服用の指導や、SMBGの確認ややインシュリンの指導、薬剤の効果測定など薬剤師としてできる範疇のことを今後はやってほしいと考えている。在宅にはリハも介入しているのだから薬剤師も当然繰り込みたい。いろいろな医療関係者が協働することで未曾有の高齢社会に対応できると考える。
  • 服用時間(食前、食後)、単位などの間違い腎機能低下の高齢患者さんが多い 
  • 内服やインスリンをシンプルにすることが重要。4回注射を2回にするとか、インスリンから可能な限り内服に変更するとか、通院治療を中断しないように介入する(できないことを責めない、協力する家族をねぎらうことも忘れない。)
  • ひとりぐらしか 老夫婦なのか状況によってまったく異なります。1−2か月の範囲で血糖値は変動し医療機関受診も不規則になり大きな検査は積極的には受けようという方はすくなっています。当院には90歳前後それ以上の方も通院されており認知症と悪性疾患を併発しているかたもいてケアマネさんと相談をしながら生活全体をみるようにしています。高齢者は入浴もしたがらずまたひとりで入浴することに不安感を訴えるかたもいて問題は山積みです。私の知り合いが身体が不自由になり何が困りますかと聞かれることがあって困るといっていましたが生活は些細なことでも困ることが多々あり1日生活を全部みてくれればわかることだといっていました。
  • 高齢になって、長年の生活習慣を変えようとするのは困難な場合が多い。周りの家族もまあいいやろと。また独居の高齢者は特に支える人がいないせいか、すきに生活される。せめて、薬をのむこと、病院に定期的にくることを指導。金銭面やADLの問題など、一人々がかかえていらっしゃる問題を明らかにし、対応する、個別指導も必要。
  • 糖尿病以外の処方薬を多剤服用していることがあり、薬袋が多くなると、飲み忘れがおこり、症状の増悪が考えられる。(実際患者さんでいて、自宅での生活が困難になってしまった)

(2016年06月 公開)

このアンケート調査はに行われたものです。それぞれのコメントにある、HbA1cの表記をはじめ、治療指針、医療制度、保険制度、法令等は、アンケートを実施した当時の状況のものです。現在のものと異なる部分もありますが、ご了承ください。

患者さんのほんね、
医療者のホンネ

第10回 食事療法の継続と実際的指導について

患者さんのホンネ

医師・医療スタッフのホンネ

第9回 糖尿病とインフルエンザ予防

患者さんのホンネ

医師・医療スタッフのホンネ

第8回 血糖自己測定の有効活用

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医師・医療スタッフのホンネ

第7回 使用済み穿刺針の廃棄

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医師・医療スタッフのホンネ

第6回 糖尿病患者さんの熱中症対策

患者さんのホンネ

医師・医療スタッフのホンネ

第5回 高齢患者さんの糖尿病治療

患者さんのホンネ

医師・医療スタッフのホンネ

第4回 糖尿病患者さんの恋愛・結婚・出産を考える

患者さんのホンネ

医師・医療スタッフのホンネ

第3回 災害への備え -東日本大震災からの教訓-

患者さんのホンネ

医師・医療スタッフのホンネ

第2回 患者さんと医師・医療スタッフの相性

患者さんのホンネ

医師・医療スタッフのホンネ

第1回
糖尿病の不便・不満・ストレス

患者さんのホンネ

医師・医療スタッフのホンネ