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20若年発症2型糖尿病にも目を向けて
内潟安子  東京女子医科大学 糖尿病センター教授
2007年03月
 インスリン治療は、1型糖尿病はもちろん、2型糖尿病の患者さんにもお願いすることがよくあります。
2型糖尿病でなぜインスリン治療が必要?
 2型糖尿病は基本的に自分の膵臓からインスリンを分泌することが少なからずできます。
 しかし、この分泌能力が不足している方が若い2型糖尿病の方にみられます。徐々に減少してくるので、1型糖尿病の発症のように華々しくいついつから急に体調を崩したというはっきりしたものはありませんが、インスリン分泌が十分でないので、気がついたときには倦怠感、高血糖、HbA1cが高値をきたしてきます。
 まだインスリンが分泌されているとはいっても、体の成長期(インスリン拮抗ホルモンに打ち勝って血糖を正常化させなければならない)なので、インスリン治療にしたほうがベターです。膵臓への高血糖ストレスが長いほど、膵臓は早く傷みやすいのです。
2型糖尿病でも急に高血糖になったときには
 一方、肥満体質で高血糖が発見される若い2型糖尿病の方もいます。膵臓からインスリンは十分に分泌されているとはいえ、やはり毎日高血糖という大きな負担をかけているといえます。食事を減らして膵臓への負担をできるだけ早くに取ってあげることがベストです。
 しかし、そういうことを知らずに、一度に大量の糖分を摂取してとてつもない高血糖になることもあります。このときは早期にインスリン治療にして膵臓への負担をできるだけ早く取り除く治療をおこなうことがよくあります。
若年発症2型糖尿病患者さんの治療の多様化
 2型糖尿病患者さん全員にインスリン治療をするわけではありません。食事、運動(体を動かすことの意味、散歩もよし、階段を使用することもよし)が基本です。この基本ができていなければ、その後の飲み薬やインスリンによるどんな治療も失敗してしまいます。失敗とはどういうことかというと、合併症が発症してしまうことです。
若年発症2型糖尿病患者さんに注目
 いまや10代の若者の糖尿病患者さんは1型糖尿病と2型糖尿病が半分半分で、しかも徐々に2型糖尿病が1型糖尿病を圧倒してきています。昔と大きく様変わりしてきました。
 小児期発症の1型糖尿病の患者さんにはサマーキャンプなどの社会的サポートがありますが、小児期発症2型糖尿病の患者さんにはまったくといっていいほど、社会的サポートはありません。
これからどうするか
 肥満したのは自分の問題だ、自分で直せばいいのだ、と思う気持ちもおこってくるかもしれませんが、1型糖尿病で培ったインスリン療法の技術や経験、あるいは食事や生活のことなど若年発症2型の方たちにもとても大切なことが多いので、むしろ1型の方たちに協力してもらう時代がくるように感じています。
 昨年末から、全国規模で若年発症2型糖尿病の実態調査を開始しました。糖尿病に関心ある先生方に、若年発症2型糖尿病にも関心をもってもらい、そして一緒にやっていこうという運動であります。  私はその次の段階として、1型糖尿病の方たちと若年2型糖尿病の方たちのなにか交流や連携ができないかなと考えたりしています。
 1型糖尿病であっても2型糖尿病であっても、将来の人生をいいものにしたいという気持ちが、日本の少子化時代への突入に一石を投じることになればと思っています。
©2007 内潟安子


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