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糖尿病に対する教育不足は、患者さんの活力を奪い、家族にとって大きな負担につながる(FUVIDAレポート)

 南米エクアドルで糖尿病患者さんを支援する Fundacion aprendido Vivir con Diabetes(FUVIDA)より、現地の糖尿病患者さんのホルヘ君についてのレポートが届きましたので、ご紹介します。

 国際糖尿病支援基金はFUVIDAの活動に賛同し、 インスリン・フォー・ライフ(IFL)を通じて支援しています。



 南米・エクアドル・ケヴェドに住む14歳の少年 ホルヘ君は、2015年に1型糖尿病と診断され、2016年8月8日にFUVIDAを訪ねて来ました。彼の母親は、これまで内分泌医の勧めることは全てやってきたが結果は見えず、息子は日に日に痩せていき衰弱していると言いました。(※1)また、ホルヘ君を月に4回も救急外来へ連れて行っているそうです。

 ホルヘ君は、4種類のインスリンを使っているにもかかわらず、血糖値は500/dl、HbA1cは11%の状態が続いています。糖尿病の血糖コントロールは、インスリンの種類が多ければ良い。というのではなく、適切な量を打つことが重要なのです。

ホルヘ君と彼の母親



 全ては、ホルヘ君の体重が突然30ポンド(約13Kg)減ったことから始まりました。激しい口渇、頻尿、異常な食欲といった糖尿病の症状が現れました。近くの診療所を数軒回ったものの、適切な治療が受けられず、グアヤキルにある小児科病院に搬送されて初めて「糖尿病」と診断されました。その小児科病院では錠剤が処方されましたが、2週間後、嘔吐、腹痛、皮膚の渇き、脱力感、疲労に悩まされました。これらは、ケトアシドーシスの症状です。

 ホルヘ君は、1型糖尿病と診断されて2か月経ってから、初めてインスリンを使用したのです(※2)。彼は発症から1年が経ちますが、いまだに血糖測定器を持っておらず、血糖値は、高血糖や低血糖で入院した時に測るだけです(※3)。最後の血糖測定は、2週間前に病院で測りました。彼の母親は穿刺針の代わりとして5mlの注射器を使用しており、その注射器も購入しなければなりませんでした(※4)。

 病院のスタッフは、「テストチップは他の患者さんたちも使うので、ホルヘ君だけのために沢山使わせるわけにはいかない。だいたい彼一人でテストチップを使いすぎている。」と言ったのです。そのため、ホルヘ君の家族は、近所の薬局で3ドル50セントでテストチップを購入しなければなりませんでした(※3)。

 家政婦として働いている彼の母親は、近所の人たちに「息子の治療には非常にお金がかかるので、もっと仕事が欲しい。」と訴えたそうです。更に、医者が要求する検査のために毎月約250ドルを支払わなければなりませんでした。母親はホルヘ君の検査の結果を見て、血糖値などが全く変化していないことに気付きました。ホルヘは君はグリコヘモグロビンの量が多く、貧血だったのです(HTC25%、Hb7gr/dl)。ホルヘ君の体重は減り続け、それでも栄養士の指示に従って厳しい食事制限をしました(※5)。

 ホルヘ君は、常に糖尿病の治療法を探索していました。学校では偏見の目で見られ、クラスメートたちに「砂糖怪人」と囃し立てられ学校の食堂では並ばせてもらえず、また、食堂のおばさんも彼には食べ物を売ろうとしませんので、買う事も出来ません。
体育の先生も、糖尿病のせいでホルヘ君は十分に運動ができないと誤解しており、試合などには10分しか出してもらえず、選手として学校のスポーツチームへは入れてくれませんでした(※6)。
チームに入りたい彼は、母親に「試合に出るためにユニフォームを買ってほしい。」と頼んだのですが、「10分しか出られない試合のために、ユニフォームは高すぎる買い物だ。」と言われてしまいました。母親の言うことは筋が通っているものの、彼の悲しい気持ちは変わりませんでした。

 以前、近所に住んでいた人がホルヘ君親子にFUVIDAを紹介し、新たな道を開いてくれました。ホルヘ君は今後、FUVIDAのサポートにより、糖尿病について正しい教育を受け、糖尿病療養のために大変重要な血糖値を測定することができるようになるでしょう。

糖尿病治療に対する正しい知識
※1に対する正しい対応:
糖尿病の治療に必要なことを決定する医療チームが必要であり、糖尿病専門の医療従事者は、その決定の助けとなりえます。

※2に対する正しい対応:
1型糖尿病の治療には、即座にインスリン注射が必要です。注射をしなければ、患者さんは死んでしまいます。

※3に対する正しい対応:
糖尿病患者は自宅で血糖値を測定することが求められ、その結果を認識することも必要です。

※4に対する正しい対応:
穿刺器はボタンを押すだけ、皮膚から血糖測定に十分な血液を得ることができます。

※5に対する正しい対応:
小児糖尿病患者には通常通りに十分食事を摂り、栄養をつけることや免疫力を高める必要があります。糖尿病は免疫にも影響する疾病です。抵抗力が低ければ、細菌やウイルスに感染しやすくなります。正常値はHTC35〜48%、Hb12〜16g/dlです。

※6に対する正しい対応:運動は、良好な血糖コントロールを保つための柱となります。医療従事者たちは、運動前、運動中、運動後に血糖を測ること、及び低血糖や高血糖時の対処法を学ばなければなりません。学校で血糖測定器を持たなければいけません。

 糖尿病治療や教育に関して、世界中には多くの進歩があるにもかかわらず、エクアドルではいまだに糖尿病患者が誤診や不十分な治療により苦しんでいます。医療関係者への糖尿病に対する教育が不足していることが合併症に繋がり、場合によっては死に至ってしまうこともあります。

 糖尿病治療において、薬剤・機器類は優先事項とされなければなりません。毎月のように変化を見せない血液構成物もあります。ホルヘ君は最初の病院で血糖値を測定されるべきでした。

【English】
The lack of Diabetes education leads to depression and high costs for families.
http://www.dm-net.co.jp/idaf/fuvida2016/english2.pdf


●関連サイト
「エクアドルのマルホリエさん」
「エクアドルのガブリエラさん」
Fundacion Vivir con Diabetes(FUVIDA)(エクアドル)
インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)
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