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糖尿病の医療費
日本の医療制度
 誰でも、いつでも、どこでも、健康保険証があれば安心して平等に医療を受けられる日本の国民皆保険制度は世界に誇れる素晴らしい制度といえます。日本人の健康寿命(健康で自立して生活できる年齢)は1位、健康達成度の総合評価でも1位*1で、世界最高水準です。国民総生産(GDP)に対する総医療費の割合は7.9%で米国の約半分で、世界18位と先進諸国の中では安い方です*2

 例えば米国の医療費は高額です。ニューヨークで医療保険に加入していない日本人が医療機関で診療してもらうと、一般の初診料が150ドル(約1万7,000円)から300ドル(約3万3,000円)、専門医を受診すると200ドル(約2万2,000円)から500ドル(約5万5,000円)かかりますが、日本で医療機関の窓口で支払う金額はだいたい7,000円程度で済みます*3

 このように世界と比較すると日本の医療費はかなり安いといえます。多くの先進国で“健康は最も大事なものであり、自分のからだは自分で守るのが当然”という考え方が一般化しているのは、医療費が高いという事情が影響していると考えられます。

 医療費の財源は公的負担(国と都道府県の税金)、保険料(事業主負担、加入者負担)、患者負担から成り立っています。加入者負担は約30%、患者負担は約15%です。日本の医療費は高額医療が多くの比率を占めます。開業医が関わる医療費は総医療費の25%に過ぎません。
*1 
WHO(世界保健機関)が発表した「World Health Report 2000」によると、健康寿命と医療費の国際比較で日本は健康寿命で1位、平等性で3位、健康達成度の総合評価で1位でした。
*2 
OECD(経済協力開発機構)が発表した「OECD HEALTH DATA 2000」の、総医療費と国内総生産との比較(1998年)より。
*3 
外務省ホームページで海外の医療費について紹介されています。
在外公館医務官情報
糖尿病の治療目的
糖尿病の医療費はいくら
 糖尿病の治療目的は、網膜症、腎症、神経障害といった合併症を予防し進行を抑え、動脈硬化による心筋梗塞、脳卒中などを防ぎ、健康な人と変わらない寿命を確保することにあります。そのために血糖コントロールを続け、高血圧や高脂血症など他の危険因子の管理が必要となることがあります。腎障害や動脈硬化の進み具合を知るための検査を定期的に行う必要もあります。

 他の危険因子や合併症の有無などにより、医療費は異なっていきますが、症状が進行すれば医療費も高くなる傾向があります。長期的にみた場合、最も医療費を抑制する方法は、早い時期に糖尿病を発見し、あるいは糖尿病合併症のあらわれない時期からきちんと通院治療し、合併症を予防することです。

 腎症が進行し、透析治療が必要になると1人年間500万円以上の医療費がかかります。脳梗塞で寝たきりになると医療費だけの問題で済まなくなり介護が必要になります。本人のみならず家族のQOL(Quality Of Life:生活の質)を大きく損ないます。なお、介護の話は介護保険が関わり話が難しくなるので、今回はふれません。
糖尿病の医療費の目安
 このコーナーでは、糖尿病で開業医の先生にかかる場合を想定し大体の目安を示してみました。

 薬を服用する場合、その医院で薬が出される場合と、処方箋をもらい調剤薬局に行ってもらう場合と二通りありますが、後者の院外処方の場合で統一して示します。院外処方の場合、薬剤師さんが調剤し、薬歴を管理し、他の医療機関から出ている薬との飲み合わせ等もチェックしてくれます。薬の副作用などの注意もより詳しく話してもらえることが多いと思います。より多くの人が関わることになりますので、医療費はやや高くなりますが、調剤薬局を利用する患者さんは今後増えてくると思います。医師の立場でも、診察に、より多くの時間をかけることができるようになるため、こちらの方式を採用する医療機関が増えてきています。

算定法

 糖尿病などの生活習慣病の診療費は「包括」と「出来高」の2通りの算定法があります。「包括」は1カ月の診療費が定額で決まっています。検査をやってもやらなくても同じ額が請求されることになりますので、患者さんの立場からすると納得しにくいケースも出てくるかもしれません。「出来高」は診療、検査に応じて算定されますので、こちらの方が分かりやすいという患者さんもいます。

 糖尿病では必要な検査が多く、栄養指導をしたり、紹介状を書くことも多く、1年間通してみると両者であまり差はありません。医師の立場からすると「包括」は3カ月ごとに指導箋を書かなければなりませんが、医療費を基金に請求する時に明細を書く必要がないので、事務処理に時間をとられず、時間を有効に使うことができます。

通院間隔

 もうひとつ、重要な要素は通院の間隔です。糖尿病の場合、通院回数の多い患者さんの方が血糖コントロールは良くなります。2週間に1回か、1カ月に1回程度受診している患者さんが多いと思います。開業医のかかりつけの先生に通院されておられるのであれば、患者さんは高齢者や主婦が多く、病院と比べて、通院時間や待ち時間が短いでしょうし、血圧などもそのつどチェックできますから、2週間に1回受診を基本とした方がいいと思います。血糖コントロールがよく、通院がなかなか困難なケースでは3週間か月1回の受診でもいいかと思われます。主治医の先生の判断を仰いで下さい。

 (このコンテンツの医療費試算では2週間に1回通院するケースで統一して示してあります。)
2006年04月更新


※2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わされるようになりました。過去のコンテンツの一部にはこの変更に未対応の部分があります。

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