5. 母乳を飲ませてもいいのですか?
母乳は飲ませてください。授乳は母親にも子供にも糖尿病によいことが見出されています。
それは
授乳は2型糖尿病の発症予防につながる
1型糖尿病の発生率は母乳を飲んでいた子供で低い
妊娠糖尿病だった女性では授乳が糖尿病への進行を抑える
糖尿病母体から生まれた子供では母乳を飲んだ子の方が肥満や糖尿病の発生が少ない
などの研究発表があります。
インスリンは乳汁に移行しませんから飲んだ赤ちゃんが低血糖を起こす心配はありません。授乳にインスリンは何ら問題がないのです。
2型糖尿病で、妊娠前は食事療法だけあるいは飲み薬だった人、妊娠糖尿病だった人については次のようになります。血糖降下薬のうちダオニール(オイグルコン)だけは近年の研究でお乳に移行しないことが解りましたので使用している国もあります。しかしわが国では普通は使用しません。その他の糖尿病の飲み薬は安全かどうか確かめられていませんので授乳期には使わないことになっています。ですから出産後、食事療法だけで血糖がよくコントロールされない場合、授乳中はインスリン注射を続けます。
出産後は妊娠中に比べ血糖が下がりますので妊娠中のインスリン量をそのまま続けますと低血糖を起こします。授乳が始まりますと更に血糖値は下がります。血糖値を見ながらインスリンを減量していかなければなりません。
授乳をしている間は食事エネルギー量を増やします。母乳100mlにつき1単位が目安ですが母体の体重の変化も見ながらエネルギー量を決めていきます。どのような食品をどのタイミングでとるか主治医および栄養士さんの指導をうけましょう。
授乳前に超速効型や速効型インスリンを打つ場合は低血糖を起こさないよう単位数を減らさなければならないことがよくあります。どの位減らすかは授乳前後の血糖の変化がどの程度かを調べて主治医に相談してください。
これらのことを注意して、できれば生後1年間は母乳を飲ませるようにしましょう。授乳は栄養や免疫のこと以外に母子のスキンシップの点でも大変重要であることが近年見直されています。しかしどうしても十分でないお母さんもありますから、そのようなときは助産師さん、小児科の先生とも相談し、気持ちを楽にして人工栄養を使いましょう。
(済生会中央病院 穴沢園子)
2007年11月
Q1. 妊娠糖尿病とは?
Q2. 妊娠時に診断された明らかな糖尿病(overt diabetes in pregnancy)とは?
Q3. 妊娠糖尿病になりやすい人はどのような人ですか?
Q1. いま糖尿病の治療を受けていますが妊娠できますか?
Q2. 糖尿病があれば赤ちゃんに奇形ができると聞いて心配なのですが?
Q3. ピルをつかっていますが大丈夫ですか?
Q4. 糖尿病の女性は月経不順になりやすいですか?
Q1. 妊娠糖尿病はどれくらいの頻度であるのですか?
Q2. 妊娠糖尿病はどのようにして診断するのですか?
Q3. 糖尿病があって妊娠したら自分自身にどんな合併症が起こりますか?
Q4. 妊娠中の血糖値はどれくらいがいいのですか?
Q5. 食事療法について教えてください。
Q6. 妊娠中の体重増加はどの程度がよいのか教えてください。
Q7. インスリン治療について教えてください。
Q8. 妊娠高血圧症候群(旧 妊娠中毒症)といわれたのですが大丈夫ですか?
Q9. 糖尿病性ケトアシドーシスどんな病気ですか?
Q10. 劇症1型糖尿病という怖い病気があると聞いたのですが。
Q11. 糖尿病合併妊娠のときは何か特別な胎児管理が必要ですか?
Q1. お産は経腟分娩できますか?
Q2. 糖尿病があったら陣痛が始まる前にお産するのですか?
Q3. お産のときにも合併症が起きるのですか?
Q4. 赤ちゃんが巨大児といわれたのですが大丈夫ですか?
Q5. 生まれた赤ちゃんにはどのような合併症が起こるのですか?
Q1. お産がすんでも妊娠中と同じ治療が必要なのですか?
Q2. 妊娠糖尿病の人はお産後も定期的な健診が必要といわれましたが本当に必要なのですか?
Q3. お産後の日常生活で気をつけることがありますか?
Q4. 育児の上で気をつけることがありますか?
Q5. 母乳を飲ませてもいいのですか?
Q6. 1回目に妊娠糖尿病だったら2回目の妊娠でも妊娠糖尿病になりますか?
関連情報:糖尿病ネットワーク
●談話室「妊婦さん、子どもがほしい方の集まり」
●Q&A1000「知っておきたい糖尿病と妊娠の関係」
●糖尿病セミナー「結婚から、妊娠・出産」
2007 All copylight by The Japanese Society of Dibetes and Pregnancy
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