糖尿病セミナー

9. 薬物療法(経口薬)

2014年9月 改訂

経口薬による治療の注意点

食事・運動療法が基本です

 薬を飲み始めて血糖コントロールが改善すると、つい安心して食事・運動療法をおろそかにしてしまいがちです。そうなると再びコントロールが悪化して経口薬の効果も弱くなり、複数の薬を併用したりインスリン療法等に切りかえる必要が出てきます。なるべく少ない薬でコントロールを維持するため、ときどき初心にかえって食事・運動療法を見直しましょう。食事・運動療法をきちんと実践した結果、薬の量が減ったり全く不要になる方もいます。

経口薬が使えない場合もあります

 2型糖尿病でも次に挙げるような状態は、インスリン療法の適応です。
経口薬を服用しても血糖値が低下する兆しがみられない
肝臓または腎臓に重度の機能障害がある
肺炎など重度の感染症にかかっている
足に壊疽がある
手術の前後
妊娠中、妊娠希望時、または妊娠の可能性があるとき

低血糖とシックデイに気をつけましょう

 低血糖は、血糖値が約70mg/dL以下になった状態を指します。インスリン分泌を増やすタイプの薬の作用が強く出すぎたときに起こります。からだがだるくなり、考えがまとまらず、呂律〈ろれつ〉が回らなくなったりします。また、ふるえ、動悸、発汗、眠気、頭痛、目がかすむなども、よくある症状です。低血糖の症状が出たら、すぐにブドウ糖(または砂糖やジュース)を口にしてください。
 低血糖のほか、なにか他の病気にかかったときも注意が必要です。そのようなときは血糖値が乱れやすく、著しい高血糖または低血糖、急性合併症が起こりやすくなります。病状によっては薬の量を調節したり、一時的に服用を中止してインスリン注射に切りかえたほうがよいこともあるので、主治医に相談し指示に従ってください。また、ほかの病院にかかる場合は、必ず服用中の薬の名前を知らせてください。
【詳しくはシリーズNo.20「低血糖」No.12「病気になった時の対策」をご参照ください】

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