糖尿病患者さんの間食指導をどうする?

I. 「糖尿病患者さんの間食」、どう思いますか?

2) 患者さん自身で考えて、間食を判断・調節できるようになってほしい

2009.09.30

吉田:私の持論では、間食をしても良いか、しないほうが良いか、するならどれぐらいの量が適当か、こういったことは、患者さん自身に判断をしてもらいたいと考えています。やはり、患者さん個々で血糖コントロールも違いますし、どれぐらいが適切かというのも全部違いますので、最終的には自分自身で“良い・悪い、量やタイミング”を判断(ジャッジ)できるようになるというのが食事療法の目指すところではないかと思います。その“判断”を行うための情報提供をするのが私たち管理栄養士との「栄養指導・相談の時間」です。間食をしたいのであれば、どうしたら間食できるか?を患者さんと一緒に考えていきます。
 なぜ“禁止”にしないのかというと、もし自分だったらどうだろうか?と考えたとき、私は個人的に甘いものは大好きだし、一生諦めるというのは無理。私だったら、どういう情報が欲しいか?―できるだけマイナスの少ない食べ方を知りたい、そういう情報がほしいと思う。だからできるだけそれに近い情報提供を患者さんに行うようにしています。
 これまでに医療機関でだめだと言われた経験や、医療スタッフに聞くまでもなく、だめだろうなというイメージをもっていらっしゃる患者さんが多いので、ただでさえ、医療スタッフにお菓子の話をするのは勇気がいると思うんですね。ですから結局、医療スタッフの知らないところで(隠れて)食べてしまうことに。患者さんは、罪悪感をもちつつ食べており、反動で必要以上に食べてしまったり、自分がどれぐらい食べているのか把握できていなかったり、といった状況がうまれます。どういったタイミングで食べているかも含めて、自分のクセを見抜くことができない、という事態にもつながります。とにかく、オープンに間食の話をすれば、患者さんの食べている量や種類の改善がより簡単にできるのではないかと感じています。
 あとは、病院の方針もあると思いますが、なかなか栄養相談に来てもらえない、という現実があります。もっと気軽に話に来てもらいたい。糖尿病は長く何十年もつきあっていく病気ですから、食事療法を継続するきっかけとして、禁止にするものは少ないに超したことはないと思います。禁止事項がないことは、療養生活を続けていく上で、大きなやる気、原動力になると思うんです。

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