糖尿病患者さんの間食指導をどうする?

I. 「糖尿病患者さんの間食」、どう思いますか?

1) 基本の3食以外に間食を入れると血糖コントロールが乱れる

2009.09.30

浜野:食品交換表や学会の教科書を改めて見てみると、間食、いわゆるお菓子は糖尿病患者さんに"好ましくない"と明記されています。これは正論だと思います。それらをふまえて、"糖尿病患者さんの間食"についてのお考えを簡単にお話しください。
加藤:まずは、食事による血糖の動きを見てください(図1・2)。通常、血糖値は食前に下がっていなくてはなりません。3食きちんと食べ、間食していない場合の血糖パターンと、10時、15時に間食したときのパターンを比較すると、間食を摂ったパターンは、朝食を食べて血糖が上がった後、本来下がらなくてはならないのに、しっかり下がらないうちにまた昼食を摂る。そしてまた昼食で血糖が上がり、ようやく下がってきたなというときにまた、15時のおやつで上がる、といった具合になります。ですので、私はよく患者さんに、「こういう食べ方をすると"ホップ・ステップ・ジャンプ"で血糖が上がってしまいますよ、血糖は食前にきっちり下げておくことが大事ですよ」と言っています。
図1 3食きちんと食べる場合の血糖推移(血糖正常者)
作成:加藤則子

図2 10時、3時と間食する場合の血糖
作成:加藤則子
 さらに、こちらは、約460kcalの朝食を糖尿病患者さんが食べた場合の血糖の推移です(図3)。HbA1cが5.8%の方と9.9%の方を比較した場合、前者は100mg/dLでスタートして、2時間後には最初の血糖値100mg/dLまで戻っていますが、後者は200mg/dLでスタートして、2時間経っても270mg/dLという状態。血糖コントロールが良くない方はとくに、食前血糖をしっかり下げておくために、間食をしないほうが良いのです。
図3 約460kcalの朝食を糖尿病患者さん(50人)が食べた時の血糖値推移
炭水化物50g摂取後の血糖値の動き(平均HbA1c 7.2%)
作成:加藤則子

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