糖尿病Q&A1000

Q.614 高齢になってから糖尿病と診断された場合は、あまり合併症を心配する必要はないということですか?

 糖尿病による慢性合併症(高血糖が長期間持続することで起きる合併症)に限ってみれば、直ちにその心配をする必要性は少ないと言えるかもしれませんが、発病後の治療が不十分であれば、やがで合併症が起きてしまいます。仮に65歳になって初めて糖尿病の診断を受けた人でも、寿命が80年とすれば、15年間もの罹病期間になるわけです。血糖コントロールが悪いと、人生の晩年になってから合併症に悩まされることになりかねません。
 また、定期検診を受けていなかった人の場合は、もっと以前に糖尿病になっていたのにそれに気付いていなかっただけの可能性もあります。加えて、糖尿病と診断される前の糖尿病予備軍の期間が長かった場合や、高血圧・高脂血症といった他の病気を併発している場合には、合併症が思いのほか早く現れるかもしれません。
 さらに糖尿病には慢性合併症だけでなく、高浸透圧昏睡などの急性合併症があります。それらは糖尿病の罹病期間に関係なく、高齢者に起こりがちな合併症なので、注意が必要です。
2006年05月11日

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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08 高齢の患者さんに起こりがちな諸問題 [Q.611-640]のQ&A

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