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2007年10月01日

日本人の体格が変化 男は太って女はやせた

 この10年で日本人の男性は肥満傾向が進み、女性はやせが増えた―こんな調査報告を経済産業省が発表した。
 国民健康・栄養調査などでも指摘されていた男性の肥満傾向があらためて確かめられた結果になった。

日本人のBMIの変化(年齢層別)

ウエスト囲の平均値(年齢層別)

経済産業省委託調査「size-JPN 2004-2006」より
 経済産業省がまとめた「size-JPN 2004-2006」は、2004〜06年度に、東京、大阪、兵庫で、19歳から80歳までの男女計6,742人を対象に、体格データを調査したもの。前回調査(1992〜94年度)から12年ぶりに実施した。

 身長や体重、胸囲など約160項目の計測と、全身や手足、頭などの形状など約80項目について調べた。

40歳男性は体重が4kg増加
 報告書によると、男性は30歳以上の全年代で体格が大きくなった。なかでも40歳代は、身長が平均で約3?p伸びおよそ170cmに、体重が約4kg増えおよそ70kgになった。肥満指数(BMI)は24を超え、前回調査に比べ肥満傾向が進んでいることがわかった。

 一方で、女性は60歳までの全年代でほぼ体格が細くなった。40歳代では身長が男性と同じく約3cm伸びおよそ157cmだったが、体重は逆に約1.3kg減り約53kgだった。女性がやせの傾向を示す結果になった。

 ただし、女性では30歳を過ぎるとBMIは一貫して上昇し、60歳を超えると太り気味の傾向が目立つようになる。65歳以上では男性とほぼ同等になる。

男性の腹囲平均は85cm以上
 水平ウエスト囲も調べられた。この調査でのウエスト囲は、もっとも下方の肋骨と腸骨稜上縁の中間の高さでの体幹の水平周長をはかったもの。

 男性では40歳から70歳までのほぼ全世代で85cmを超えた。耐糖能異常(糖尿病予備群)や脂質異常症、高血圧などを併発することが多いと考えられているメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、ウエスト径を男性85cm以上を診断基準のひとつとしている。

size-JPN 2004-2006 調査結果について(経済産業省)
「size-JPN 2004-2006」は、衣類や乗用車などの工業製品の寸法や規格を決めるときの基準となる、からだの寸法や形のデータを収集することを目的に実施された調査。

 肥満の程度を判定する方法として、体脂肪量とよく相関するBMI(Body mass index)が、一般的に使われている。日本人ではBMI 25以上を「肥満」、18.5未満を「やせ(低体重)」と判定する。
 肥満は、摂取エネルギーが、消費エネルギーを上回った結果、予備のエネルギーとして蓄積された体脂肪が、必要以上に増えた状態をいう。BMI 25以上が肥満とされるのは、25を超えると糖尿病や高血圧、高脂血症など、多くの生活習慣病が起きやすくなるから。糖尿病と肥満の関連について、下記で詳しく解説している。

糖尿病セミナー 7. 肥満と糖尿病

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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