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2024年03月28日

果物の食べすぎは糖尿病の人に悪い? ドライフルーツなら大丈夫? 果物の効果的な食べ方が判明

 果物を食べる習慣は、健康に良く、バランスの良い食事に役立つことが分かってきた。

 ブルーベリー・リンゴ・ブドウなどの果物を食べている人は、糖尿病リスクが低いという報告がある。

 果物には食物繊維、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールなど、体に必要な栄養が含まれている。

 プルーンやアプリコットなどのドライフルーツが、栄養価の高い健康的な間食として勧められるという研究も発表された。

 果物は糖質も含まれるが、1日に100g以内を目安にして食べると、血糖や中性脂肪は改善し、体重は上昇しないとみられている。

野菜や果物を食べていると心血管疾患のリスクが低下

 果物を食べる習慣が、健康に良く、バランスの良い食事に役立つことが分かってきた。

 米国栄養学会(ASN)の発表によると、野菜や果物を十分に食べていないことが、数百万人が心血管疾患で死亡する原因になっている。

 とくに、果物にはビタミンやミネラル、ポリフェノールなどの生理活性化合物が含まれており、心血管死のおよそ7人に1人は、果物を十分に食べていないことが関連している可能性があるという。

 研究グループは、世界113ヵ国(世界人口の82%に相当)の入手可能な食事調査などから、野菜と果物の平均摂取量を推定し、各国の死因や心血管リスクについてのデータと付き合わせた。

 「野菜と果物を十分に食べていないことが、世界中で予防可能な死亡に影響をもたらしている可能性があります。摂取を増やすために、広範囲の取り組みが必要です」と、米タフツ大学栄養科学・政策大学院のダリシュ モザファリアン氏は言う。

 ブルーベリー・オレンジ・ブドウ・リンゴなどカラフルな果物を適度に食べていると、肥満やメタボのリスクが低下するという研究も発表されている。

 ただし、果物を食べるときは、できれば皮や芯まで含めて果物全体を食べるのが良いという。また、フルーツジュースは、100%果汁のものであっても、飲みすぎは勧められない。

ドライフルーツは栄養価が高いヘルシーな間食に

 新鮮な生の果物は高価であり、入手が困難だと感じている人は多くいる。米国の食事ガイドラインでは、果物を食べることが推奨されているものの、米国人の80%は推奨量をとっていないという。

 そうした人に向けて、「保存食としても使えるドライフルーツであれば、比較的利用しやすい」という研究を、米マサチューセッツ大学が発表した。

 「ドライフルーツにも、ビタミン類・ミネラル類・食物繊維などが含まれており、栄養価の高い健康的な間食として勧められます」としている。

 「果物は、カリウムやマグネシウム、カルシウム、食物繊維などの供給源になります。腸内環境の多様性を改善し、善玉菌を増やすのにも有用です。果物を上手に間食に活用するのは良い考えです」と、同大学で食品科学を研究しているアマンダ キンチラ氏は言う。

糖質が多く含まれる果物にはご注意

 研究グループは今回、米国の食品データベースを使い、「主に果物を材料にして作られた非冷凍食品や非飲料」と定義した1,497種類のフルーツ食品の栄養成分を収集・分析し、ドライフルーツが優れた間食になりえることを明らかにした。

 ただし、ドライフルーツの製品によっては、糖質・着色料・香料・保存料などが加えられ、高カロリーのものもあるので、栄養表示をよくみて、食品を選ぶことを勧めている。

 「ドライフルーツは、果糖が凝縮され多く含まれるものがあり、糖分・カロリーのとりすぎに注意が必要になることもあります。プルーンやアプリコットなど、糖質が比較的少ないものもあります」としている。

 ドライフルーツのうち、プルーンには100gあたり単糖が42.2g含まれ、食物繊維が7.1g、イチジクは単糖が62.7g、食物繊維が10.7g、アプリコットは単糖が49.9g、食物繊維が9.8g含まれる。

糖尿病の人は果物を1日に100g以内を目安に食べると効果的

 日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン」でも、果物には単糖(単純糖)が含まれるが、一定量までは糖尿病に影響をあたえないことが示されている。

 果物は、GI(グリセミック インデックス)が低いものがあり、糖尿病の管理に有効とみられ、ブルーベリー・リンゴ・ブドウなどの果物を食べると、糖尿病の発症リスクが低下するという報告がある。

 その一方で、糖質が多く含まれる果物を食べすぎると、血中の中性脂肪や体重の増加をきたすと懸念されるとしている。さらに、果物ジュースは糖尿病の発症リスクを高めることも報告されている。

 「果物は、1日に100g以内であれば、果糖摂取によって血糖、中性脂肪レベルは改善し、体重増加はきたさないとしている。糖尿病では果物の摂取を勧めてよいが、適正量は病態による個別的な設定が必要となる」としている。

果物はメンタルヘルスの改善にも有用?

 英国のアストン大学による別の研究では、428人の成人を対象に調査したところ、果物を食べる頻度の高い人ほど、うつ病のスコアは低くなり、メンタルヘルスのスコアは高くなった。

 一方で、栄養素の低いポテトチップスや、カロリーの高い甘いお菓子などを間食に食べている人は、不安・ストレス・うつ病の症状が多く、メンタルヘルス不調のリスクがあることも示された。

 「高カロリーのお菓子などを食べる代わりに、果物など栄養価の高いおいしい間食をとることが、精神的な健康にも関わることが示唆されました」と、同大学心理学部のニコラ ジェイン タック氏は述べている。

 「果物や野菜はどちらも、脳機能を良くする抗酸化物質・食物繊維・微量の必須栄養素が含まれます。そうした食品を間食に上手に活用することが勧められます」としている。

Millions of cardiovascular deaths attributed to not eating enough fruits and vegetables (米国栄養学会 2019年6月8日)
For A Healthy Fruit Snack, What Would You Choose? (マサチューセッツ大学 2024年3月5日)
Nutrient Density, Added Sugar, and Fiber Content of Commercially Available Fruit Snacks in the United States from 2017 to 2022 (Nutrients 2024年1月18日)
Could eating fruit more often keep depression at bay? New research (アストン大学 2022年7月13日)
Frequency of fruit consumption and savoury snacking predict psychological health; selective mediation via cognitive failures (British Journal of Nutrition 2022年5月26日)
Consumption of Dried Fruits Is Associated with Greater Intakes of Underconsumed Nutrients, Higher Total Energy Intakes, and Better Diet Quality in US Adults: A Cross-Sectional Analysis of the National Health and Nutrition Examination Survey, 2007-2016 (Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics 2020年10月28日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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