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12インスリン治療にも危機管理を!
2006年07月
 インスリン製剤にはいろいろあります。実際、みなさんはいろんなインスリン製剤をすでに使っていらっしゃることと思います。また、注射するための器具、これをデバイスといいますが、これもいろいろあります。
 インスリン製剤の種類によっては、使用できるデバイスが決められているものがありますが、使い捨てタイプと入れ替えタイプの両方が揃っているインスリン製剤もあり、比較的多くの種類のインスリン製剤にこのような2つのタイプがあります。

 自分は両方とも使ったことがあるが使い捨てタイプが好きだからそれだけ使っているというのならそれでいいのですが、いま使っているものしか知らないというのでしたら、他のものもあることを是非この機会に知ってください。

 なぜか? なぜ使い捨てタイプと入れ替えタイプの両方を知っていた方がいいのか?
 それは今回の話題である危機管理の違いを知るためです。

<入れ替えタイプ危機管理の基本>
 入れ替えタイプだけ使用している人は、インスリンデバイスを何本持っていますか。たいていは速効型インスリンと中間型インスリンのための2本でしょう。超速効型インスリンも使用しているから3本持っているという人もいるでしょう。

 もし、会社や学校にインスリンを持っていくのを忘れたらどうしましょう。
 鞄の中にいつも入れていた速効型インスリンがたまたま残りわずかだったらどうしましょう。
 もし、災害にあって自宅が崩壊したらどうしましょう。もし、鞄が盗難にあってインスリンがなくなったらどうしましょう。テバイスが手元になければ注射はできません。

 ともかく、入れ替えタイプを使用している人は、デバイスをもう1本、余分に持っていた方が安心ですね。

<使い捨てタイプ危機管理の基本>
 使い捨てタイプはカートリッジ1本がそのまま入っていてペンの針をつければすぐ注射できるものです。これは通常何本かまとめて一度に処方されますので、自宅の他に、会社に、学校に、鞄のなかに、それぞれ1本ずつ置いておくことができます。

 持参するのを忘れたとか、スペアを忘れたとかというとき、こうしておけばなんの問題もなくインスリン注射ができます。
 もし地震などで帰宅できなくても会社に備えてあるものを使うことができます。

<針の危機管理>
 さて、危機管理のためにもうひとつ。ペンの針がなければ注射できないことです。あんな小さな針ですが、1本もなければ注射できません。針がないときどうしますか?

 ひとつの方法は使い終わっても針をつけておくことです。次に使用するとき針を代えるわけです。もし、地震などで自宅に帰れずかつ針を持たない状態なら、着けたままの針を使うことができます。自分が使った針だから大丈夫です。けっして他人の使ったものを使わないように。

 針をつけっぱなしにしておくと、カートリッジの中に空気がすこし入ってしまいます。使用するときには、空気抜き(上を向けてから打ちする)をして使いましょう。

<インスリン専用注射器(シリンジ)の利用>
 究極の危機管理法。たとえば、使い捨てタイプでも入れ替えタイプのものでも、どちらもダイアルが動かなくなって単位合わせができなくなったら、どうしましょう。
 そんなことは起こらないよと思うより、そうなったらどうすればいいのかと考えましょう。

 インスリン専用注射器(シリンジ)を使います。これで必要な単位をインスリンカートリッジから抜き取るわけです。インスリン専用注射器を、機会があるときに、数本処方してもらっておきましょう。

 地震や災害時だけが危機管理が必要な場合ではありません。小旅行でも、旅行時にはなにかハプニングがおきやすいですね。このときにも危機管理の心構えが必要になりますね。
©2006 内潟安子


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