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18なぜ血糖自己測定をするのか
2007年01月
 新年にあたって、なぜ血糖自己測定をするのか、あらためて考えてみたいと思います。インスリン治療しているから、かならず血糖自己測定しなければならないという理由はありません。
 ならば、なぜ毎日、決まった時間に血糖測定しているのでしょうか。毎日する必要があるのか、決まった時間にする必要があるのか、1年の初めに、もう一度、頭をひねってみましょう。。
血糖自己測定は万能か?
 「血糖測定しているからHbA1c値を良好に(少なくとも7.0%以下に)保つことができている、血糖測定していなければHbA1cを良好に保つことができない」と思っている方はいらっしゃいませんか。
 また、「最初の頃は血糖値に対して新鮮な感動をもって低くしようとしていたが、長くやっているうちに、少し血糖が高くても急にどうにかなるわけではないという気持ちになってしまい、いまはナアナア気分で血糖自己測定している」ようなことはありませんか。
低血糖を感じるのは頭(中枢)です
 以前にも書いたかもしれませんが、「低血糖だと感じたので血糖測定したら低くなかった」、「高血糖だと思って血糖測定したらそんなに高くなかった」という経験は皆さんありませんか。
 「ある」と答えた方にお聞きします。測定値が正しいと思っていて、自分の低血糖症状はいいかげんだと思っていたことはありませんか。そうすると「自分は血糖の低い、高いを間違えて感じてしまうようだ。だから、血糖測定していないと自分の血糖値を自分でわからない人なのだ」と納得してしまったり、主治医の先生に「どうも低血糖の症状がわからなくなりました」と言うようなことも起こったりします。
 ここで本当に問題なのは「低血糖症状があるのに、測定したら値が低くなかったので、この感じ方は低血糖とは違うのだ」と思ってしまうことです。測定した値が低くなかったからといって、低血糖ではない? もしかして、これは低血糖だったかもしれませんよ。つまり、指先の血液で測定したら低くないというだけであり、ほんとうに「自分の頭の脳は低血糖症状だと感じていたかもしれない」のです。
指先の血糖値は遅れることがある
 たとえば、こんな経験はありませんか。「低血糖だと思って血糖自己測定したら低くない、しかしその後数分してから血糖を測定したら低くなっていた」という経験はありませんか。
 血糖値がけっこう急降下するときには、指先の血糖値が頭内の低い血糖値に付いて来れないというような状況が起こってきます。本当に低血糖なのに、まだ指先の血糖を測定しても低くならないということです。言い換えれば、我々が低血糖だと感じるのは頭の中であって、指先の血糖値の値によって感じているのではないということです。
 私は患者さんに、「自分が低血糖だと感じたときはたとえ測定した値がいくつであっても、低血糖なんですよ、低血糖と書いておいてください」とお願いします。逆の高血糖のときもそうです。「高血糖だと思うときは高血糖」と書いてもらいます。「測定値がいくつであれ」です。「自分に正直になって」ということもあります。
低血糖症状そのものも病気になって年月が長くなると変化していく
 もちろん、低血糖症状そのものが以前と変化していくことはよくあります。インスリン注射開始したころの低血糖症状と、5年後、10年後の低血糖症状は異なるといっても過言ではないでしょう。このことはまたあらためて書きましょう。
なぜ測定しようと思ったか、そしてどうなったか
 血糖測定することが悪いのではありません。血糖測定してもいいのです。ただ、「なぜ今、測定しようと自分は考えたのか」ここが大事なことです。
 「いつもと違う食事だったから」、「いつもと違う食事時間になったから」、「高いと思って前回の食事のときにインスリンを2単位増加させたから、これが丁度合っているかどうか確認したかったから」などいろいろな理由があります。これが大事なことなのです。
 朝起きたから測定する、寝る前だから測定するではなく、「夕食前のインスリンを増加させてみたから、その後どうなったか」とか、「今日は忙しかったから、夜中に下がるかどうか心配だったから」などといった理由があるととてもいいですね。
 こうすれば理由(原因)と答え(結果)を経験として蓄えていくことができると思います。
©2007 内潟安子


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