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患者さん対象アンケートの結果
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1カ月の自己負担額は「1万〜1万5,000円」が最も多く、とくにインリン療法をされている患者さんは高い

Q.1
 糖尿病の治療にかかる費用はどのくらいですか? 病院や診療所、薬局で支払う額(自己負担額)の1カ月の合計金額をお答えください。
 最初の質問は医療費の自己負担額の質問です。

 結果は、全体では「1万円〜1万5,000円未満」が最も多いものの、糖尿病のタイプ別(1型か2型か)または治療法別(インスリン療法をしているか否か)に分けてみると、2型の方やインスリン療法をされていない方の自己負担額のピークは「5,000円〜1万円未満」になり、全体の平均よりやや負担が軽いことがわかります(図6)。

 その一方で1型またはインスリン療法をされている方では、ほぼ半数が「1万円〜1万5,000円未満」に該当し、1万5,000円以上負担している方も5人に1人以上に上っています。

 糖尿病のタイプ別に分けてみた場合と、治療法別に分けてみた場合とでは、負担金額の分布がだいたい一致していることから、インスリン療法をしているか否かの違いが負担金額の違いに強く影響していると考えられます。
 
図6 医療費の自己負担額
医療費の自己負担額

Q.2
 あなたの医療費自己負担比率は?
 医療費自己負担率は「3割負担」の方が86.4%を占め、いわゆる現役世代の方が回答者の中心であることが窺えます。

 なお、糖尿病のタイプ別と治療法別に分けてみると、2型の方、インスリン療法をされていない方のほうが若干、1割負担の方が多い傾向があります。これは2型の患者さんの平均年齢が1型の患者さんよりもやや高いことの現れと言えます。Q.1の回答で得られた、インスリン療法の方の負担額が大きいという結果には、この自己負担比率の差も若干影響を及ぼしているのかもしれません。
    全 体(n=500)………3割負担が86.4%、1割負担が9.0%、その他(不明、無回答を含む)が4.6%
      糖尿病のタイプ別
      1型の方…3割負担が91.6%、1割負担が3.1%、その他(不明、無回答を含む)が3.7%
      2型の方…3割負担が84.9%、1割負担が12.5%、その他(不明、無回答を含む)が3.7%

      治療法別
      インスリン療法の方……3割負担が88.9%、1割負担が6.9%、その他(不明、無回答を含む)が4.2%
      非インスリン療法の方…3割負担が82.5%、1割負担が13.9%、その他(不明、無回答を含む)が5.2%

Q.3
 あなたの医療費の負担感は?
 全体では、「重い負担を感じる」が4割強に上り、「たいへん重い負担を感じる」方も4人に1人以上いらっしゃいます(図7)。治療法別にみると、当然ですが、インスリン療法をされている方では「たいへん重い負担を感じる」の割合が増えます。

 なお、4年前のアンケート結果と比較すると、「たいへん重い負担を感じる」は23.1%から26.6%とやや増え、「重い負担を感じる」は50.1%から42.8%にやや減りました。
    4年前のアンケートにおける回答選択肢はそれぞれ、医療費が「とても高い」「高い」でした。
 
図7 医療費の負担感
医療費の負担感



半数強の患者さんが医療費負担のために「治療継続に困難」を感じていて、
そのことを「相談したい」と思っている方が4年間で急増

Q.4
 医療費の負担のために、治療を続けることが困難になることはありますか?
「困難を感じたことはない」との回答が最も多く、半数弱に達しました(図8)。しかしこの結果は、半数強の方が「治療継続に困難を感じている」ことを意味します。 「その他」を選択した方の中にも、記述回答欄に「将来のことを考えると不安になる」「今は何とか続けているが、収入が減ると難しい」「失業したとき困難を感じた」などと記している方がいて、医療費の将来的負担による治療継続に不安を感じている方は少なくないようです。

 なお、この質問についても治療法別にみると、やはりインスリン療法をされている方で負担感がより大きくなることがわかります。ただし、Q1やQ3の回答から得られた実際の負担額や負担感の差に比べると、その差は小さくなっています。この違いの背景には、「その他」の記述回答にみられた「困難でも生きている限り治療を続けない訳にはいかない」「仕方がないと思っている」「治療を続けないと生存できないのでしょうがない」「他のことを削っても治療を優先しているので困難かどうかは考えない」といった回答から、インスリン療法の患者さんは「医療費の負担は大きいものの、それは必要なことであり仕方がない」と受容されている方が少なくない、という状況があるものと推測されます。
 
図8 医療費負担による治療継続への支障
医療費負担による治療継続への支障

Q.5
 医療費の負担のことで、医療機関または行政の窓口などで相談したことがありますか? ご家族や知人への相談は除きます。
 インスリン療法をされていない方では「相談したいと思わない」が7割弱と最も多い反面、インスリン療法をされている方では「相談したことはないが、相談したいと思うことはある」が半数を占めるという顕著な違いが現れました(図9)。インスリン療法をされている方の医療費自己負担額軽減に対する潜在的な要望は無視できないものがあると言えそうです。

 また、4年前のアンケートと比較すると、実際に「相談したことがある」方の割合は11.0%から7.4%に減ったものの、「相談したことはないが、相談したいと思うことはある」は9.9%から39.8%に急増していている点が気になります。
    4年前のアンケートにおける回答選択肢は、「相談しことがある」と「相談したことがない」の二つで、後者が89.0%を占め、そのうち「相談したいと思ったことはあるが相談しなかった」が全体の9.9%でした。
 
図9 医療費軽減のための相談経験の有無
医療費軽減のための相談経験の有無

Q.6
 Q.5で「相談したことがある」と答えた方への質問です。だれに(どこに)相談しましたか? 該当するものすべてをチェックしてください。
 この質問は該当する回答者数が少なかったのですが、 「医師」に相談した方が最も多く、「相談したことがある」人の4割を占めました。

 ただし、薬剤師については選択肢が「医療機関内の薬剤師」と「院外薬局の薬剤師」に分かれており、両者を足すと「医師」とほぼ同率となり、薬剤費に負担を感じてその解決策を薬剤師(とくに院外薬局の薬剤師)に求める方も少なくないことがわかります。これは、このあとのQ.8の回答とあわせて考えると、調剤薬局にてジェネリック医薬品への変更を相談された方の回答と推測できます。

医師23人(39.7%)、
医療機関内の薬剤師4人(3.9%)、院外薬局の薬剤師10人(17.2%)、
看護師・栄養士など前記以外の医療スタッフ3人(5.2%)、
医療機関内に設置されている相談窓口15人(25.7%)、
受付の事務員11人(19.0%)、
自治体などの行政機関の窓口19人(32.8%)、
その他5人(8.6%)
n=58

Q.7
 Q.5で「相談したいと思うことはある」または「相談したいと思わない」と答えた方への質問です。相談しない理由はなんですか? 該当するものすべてをチェックしてください。
 結果は図のとおりで、「相談しても解決すると思わないから」が約半数を占め、“あきらめ派”が多いようです(図10)。しかし、医療スタッフに対する気がねや恥ずかしさから相談できずにいる方も決して少なくないことや、通院間隔を延ばしたり、通院を中断または通院先を変更するなど、自主的な“生活防衛”をされている方も見受けられます。
 
図10 医療費軽減のための相談をしない理由
医療費軽減のための相談をしない理由



飲み薬のジェネリック薬の価格的メリットは大多数が認知している一方で、
インスリン製剤・注入器の価格差はあまり知られていない

Q.8
 下記の方法で、医療費の自己負担額が軽くなる場合があることをご存じですか?
 飲み薬の新薬をジェネリックに変更すると負担額が軽減されることについては85.6%が「知っていた」と回答し、情報がかなり浸透していることがわかります。

 その一方で、インスリン製剤についてはジェネリックはないものの、製剤の種類や注入器にさまざまな選択肢があるため、その選択によって負担額が変わるのですが、この点については74.6%が「知らなかった」と回答しました(図11)。

 治療法別にみると、インスリン療法の方の75.5%、インスリン療法をされていない方の73.2%が、このことを「知らなかった」と回答していて両者に差がなく、むしろインスリン療法をされている方のほうがわずかながら認知率が低いという、やや意外とも言える結果です。ただし、病気のタイプ別にみた場合は、1型の方で「知らなかった」のは68.6%とやや下がり、認知率が少し高いことがわかります。

図11 医療費自己負担額が軽減されるケースがあることの認知度
 
医療費が軽減されるケースがあることの認知度



1年間で数千円の差でも、負担は軽いほうが良い方が圧倒的

Q.9
 効果や副作用が同じで医療費が安くなる別の方法(薬)があるとします。自己負担額が1年間でいくら軽くなるなら、その方法(薬)に変更したいですか?
 
「1〜4,000円」の負担軽減でも変更したいという回答が最も多く、3割強を 占めました(図12)。「4,001〜8,000円」と回答した方を含めると、半数以上の方が8,000円までの負担軽減でも変更を望んでいることがわかります。治療法別に分けてみると、インスリン療法をされていない方では、差額がより少なくても変更を希望する方が若干多いという結果になっています。
 
図12 自己負担額がどのくらい軽くなるなら、別の方法(薬)に変更するか
自己負担額がどのくらい軽くなるなら、別の方法(薬)に変更するか

 なお、Q.9では「その他」の欄の記述回答が多く寄せられましたので、いくつか紹介します。

ジェネリック医薬品関係の記述回答
「ジェネリック薬品は長期的に使用した際の副作用について安心できないので、変更時は十分な治験があるか確認したい」
「安全性がジェネリック医薬品の方が優れているのであれば使いたい」
インスリン製剤関係の記述回答
「コレステロールを下げる飲み薬は既に変えているがインスリンは毎日使用するものなので、つい便利なものを選びがちで高くても使い捨てにしてしまう。便利でなおかつ安くなるのであれば是非変更したい」
「効果や副作用が同じならば安い医薬品を使うべきと考えています。なおインスリン製剤に代替品があるとは全く知りませんでした」
「使い勝手も含めて判断したい」
「効果・副作用がまったく同じなら変更したいが、注射器の場合、サポートが受けられるかどうか。という問題が出てくる。その点が解決できるならば変更したい」
その他の記述回答
「安ければいくらでもいい」
「安全で自分に合うものを使いたい」
「額の問題とはとらえていない」
「金額は問わず軽くなるのならしたい」
「自分にあっているもので、少しでも安くなるものがあるならそれを使用したい」
「少しでも安くなるなら変更したい」
「病院、医師から効果に差がないこと、副作用のことなどを明確に説明してもらえるなら替えたい」

Q.10
 糖尿病の医療費自己負担額について、なにかご意見があればお聞かせください。
 たくさんの回答が寄せられました。
 大別すると、「成人後の1型糖尿病の治療に対する補助制度の希望」「1型・2型にかかわらず、インスリン療法には医療費の補助を」「なぜ1型で身体障害者手帳をもらえないのか」という補助を求める意見と、「失業中で相当苦しい」「とにかく高い」といった医療費全般に対する不安や苦情のような意見が多い反面、「なるべくなら負担は少ない方がいいが、自分の生活習慣でなったので自己負担は仕方がない」といった2型の方からの少数意見もみられ、「在宅自己注射指導管理料、血糖自己測定器加算、注入器加算、注入器用注射針加算など画一的な徴収の仕組みに疑問を感じる。コントロールの方法など熟練の患者であれば毎月の指導は不必要と感じている方もいるはずで、測定チップや針も実数で請求して欲しい」といった提言もありました。

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