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医療スタッフ対象アンケートの結果
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インスリン療法患者さんの医療費を心配する声が多数

Q.1
 糖尿病患者さんの医療費自己負担額に対する印象をお聞かせください。
 最初の質問で、糖尿病患者さんの医療費自己負担額についての印象を尋ねたところ、7割弱の方が「総じて高いと思う」と答えられています(図13)。

 4年前のアンケートでは「総じて高い」が24%でした。選択肢の設定が全く同じではないので単純比較はできませんが、患者さんの負担が大きいと考える医療スタッフが増えていると推測できます。ただし、患者さん対象アンケートで医療費の負担感を尋ねた質問では、4年前と比較しそれほど大きな変化はみられていません(患者さん対象アンケートのQ.3参照)。この相違の背景として、患者さんが以前から感じていた医療費の負担を医療スタッフも考慮するようになりつつある、ということが言えるかもしれません。

 なお、「その他」と回答された方の記述欄には、「インスリン治療の方は高いと思う」「インスリン注射をしている人は高い」「治療内容でかなり違います」と記された方がいて、これらは4年前のアンケートにおける「患者さんによっては高い(54.8%)」に該当するものと言えます。ほかには「努力している患者さんは標準だが、治そうとする気持ちのない方には安いと感じる。また、透析になったほうが自己負担が減ってしまうのも不思議」という記述も見られました。
    4年前のアンケートにおける回答選択肢は、「総じて高い(患者さんの負担が大きい)」「患者さんによっては高い」「総じて高くはない(患者さんの負担はさほど大きくない)」「意識したことはない、わからない」「どちらとも言えない」でした。
 
図13 患者さんの医療費自己負担額に対する印象
患者さんの医療費自己負担額に対する印象

Q.2
 日常診療・業務のなかで、個々の糖尿病患者さんの医療費自己負担の金額について考えたり心配することはありますか?
 次に、医療スタッフがどのくらい患者さんの医療費を気にしているかを尋ねてみました。結果は図のとおりで、「患者さんによっては考えたり心配する」方が8割近くに及びました(図14)。

 
図14 患者さんの医療費自己負担の金額について考えたり心配するか否か
患者さんの医療費自己負担の金額について考えたり心配する否か

 それではどのような患者さんの自己負担額を気になされるのでしょうか。次のQ.3がその答えです(図15)。「インスリン療法をしているか否か」「年齢」「合併症・併発症の有無」の3つをとくに重要視されていることがわかります。

Q.3
 とくに、どのような患者さんの自己負担額を考えたり心配しますか? 該当するものすべてをチェックしてください。
 
図15 どんな患者さんの自己負担額を考えたり心配するか
どんな患者さんの自己負担額を考えたり心配するか



患者さんから医療費の相談を受ける機会は少ないものの、
相談を受ければ「検討する」が圧倒的

Q.4
 患者さんやご家族から、自己負担額が軽い薬への変更を相談されることはありますか?
 ここまでの回答で、患者さんの医療費自己負担額を気にされているスタッフは少なくなく、患者さんのほうももちろん負担感を感じていることが示されています。では実際に患者さんから医療費について相談を受けることはあるのでしょうか?

 結果は「めったにない」が最も多く、「たまにある」がそれに続き、両者で9割弱に達し、「しばしばある」は1割に満たない数でした(図16)。この結果は患者さん対象に「実際に相談したことがあるか否か」を尋ねた質問で、「ある」と答えた方が7.4%だったことと一致します(患者さん対象アンケートのQ.5参照)。

 しかし患者さん対象のアンケートでは「相談したことはないが、相談したいと思うことはある」方が4割いたことを知っておく必要がありそうです。患者さんへのアンケートからは、「相談しても解決するとは思わない」といったあきらめや知識の不足がみられ、医療スタッフ側からのアプローチが必要なケースもあると言えるでしょう。
 
図16 自己負担額が軽い薬への変更を相談されることはあるか否か
自己負担額が軽い薬への変更を相談されることはあるか否か

Q.5
 患者さんやご家族から、自己負担額が軽い薬への変更を相談された場合、どのように対応しますか?
 実際に患者さんから自己負担額が軽い薬への変更を相談された場合の対応では、経口薬のジェネリック等への変更についても、インスリン製剤の種類・デバイスの変更についても、ともに大多数は「変更可能かどうか検討する」と回答されています(図17)。

図17 自己負担額が軽い薬への変更を相談された場合の対応
 
自己負担額が軽い薬への変更を相談された場合の対応"



処方変更に伴う医療費増減についての事前説明。
「する」「しない」「ケースによる」がほぼ同数

Q.6
 経口薬やインスリン製剤の追加・変更などで医療費が変わるときに、そのことを患者さんやご家族に知らせてから追加・変更しますか?
「ほぼすべてのケースで事前説明する」「負担額が大きく変わるときのみ事前説明する」「事前説明はあまりしない」の3つがだいたい同数となりました(図18)。
 
図18 医療費が変わるときに事前説明するか否か
医療費が変わるときに事前説明するか否か

Q.7
 Q.6で「自己負担額が大きく変わるケースでは、事前説明するようにしている」と答えた方への質問です。自己負担額がいくらぐらい変わるときに事前説明しますか?
「わからない」という回答を除くと、「年間8,001円以上変わる場合に事前説明する」が最も多いという結果でした(図19)。患者さん対象アンケートでは、「年間1〜4,000円の負担軽減でも変更したい」方が最も多いという結果が出ています(患者さん対象アンケートのQ.9参照)。この差から、患者さんと医療スタッフの間に若干、医療費負担額に対する認識のギャップがあると言えるかもしれません。
 
図19 自己負担額がいくらぐらい変わるときに事前説明するか
自己負担額がいくらぐらい変わるときに事前説明するか

Q.8
 糖尿病の医療費自己負担額について、なにかご意見があればお聞かせください。
 患者さん対象アンケートの記述回答で多かった医療費の補助制度について、医療スタッフからも「1型患者は20歳過ぎても医療費に助成があってよいと思う」「糖尿病を悪化させないためにも、厳格な血糖コントロールが必要であれば、経口薬物治療を行っている患者さまに対しても自己血糖測定に必要な製品は保険対象としてほしい」「全体的に自己負担を下げてほしい」「高齢者で1型糖尿病、インスリン使用中の患者さんには、何らかの公的医療補助が必要では」といった補助の拡充を求める多数の意見がありました。

 また、「最近の経済事情悪化のためかこれまでひと月に1回受診されていた方が回数を減らすという例が少しずつ増えてきている。医療費の国家負担を減らすのではなくむしろ、既に患者の自己負担は限度を超えている状況を踏まえて、増加すべきだと思う」「自己負担額が大きくなるにつれて(保険割合の変更や収入で)患者さん自身が治療を中断や処方を勝手に変更してしまうことがつらい」という、医療費負担増加による患者さんの受療抑制を懸念する声も複数ありました。

 「インスリン製剤の種類・デバイスの変更について、もっと企業や協会が、患者さんに積極的に提示すべきと思う」という要望は、患者さんの負担を減らすためには、医療機関からのみではなく各方面からの広範な情報提供が求められている状況の現れと言えるかもしれません。

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