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母親の糖尿病と肥満が児の自閉症リスク上昇と関連
2016年01月
 妊娠中に肥満や糖尿病をもつ母親から生まれた児は、自閉症の発症リスクが高まることが、新しい研究で示された。

 母親が妊娠中に肥満あるいは糖尿病のどちらかをもつ場合、糖尿病をもたない正常体重の母親に比べて児の自閉症リスクは約2倍に上り、両者を合併している場合には、児の自閉症リスクは4倍近くに上昇するという。

 米ジョンズ・ホプキンズ大学(ボルチモア)のXiaobin Wang氏は、「今回の知見は驚くべきものではない。これまで多くの研究で、母親の肥満と糖尿病が胎児の発達や代謝的に健康な状態に悪影響を及ぼすことが示されており、今回、これらの影響は児の長期的な神経発達にも及ぶことがわかった」と述べ、この結果は、児の自閉症リスクが出生以前から生じている可能性を示唆するものだと指摘している。

 近年、米国の小児の68人に1人が自閉症と診断されており、その有病率は1960年代以降、出産可能な年齢の女性における肥満や糖尿病の増加とともに急増しているという。

 「Pediatrics」1月29日オンライン版に掲載された同氏らの研究は、ボストン医療センターで1998〜2014年の間に出生した児を対象としたもの。出産後1〜3日以内の面接調査で母親の妊娠中の肥満と糖尿病の状態を調査し、出生児を対象に平均6年間の追跡調査を行った。

 その結果、母親が妊娠中に肥満と糖尿病を合併していると、児の自閉症リスクが4倍に上昇するだけでなく、知的障害リスクも同様に高まることがわかった。しかし、Wang氏らによると、知的障害リスクの上昇がみられた児の多くは、同時に自閉症と診断されていることも判明したという。

 また、妊娠前の糖尿病に加えて、妊娠中に発症する妊娠糖尿病も児の自閉症リスク上昇との間に関連が認められた。

 Wang氏は、「母親の肥満や糖尿病が子どもの自閉症の原因と結論づけるにはさらなる研究が必要だ」と指摘しているが、米ハーバード公衆衛生大学院のAndrea Robert氏は「両者の因果関係が成立する可能性は高いと思われ、女性が減量し、糖尿病の発症を予防できれば、子どもの自閉症リスクが上昇するのを回避できるかもしれない」との考えを述べている。

 ただし、同氏は母親個人を責めているわけではないという。「過去30年間に米国で大幅に増加した肥満の現状をみれば、これは個人レベルではなく社会的な課題だ」と強調しており、Wang氏も、「今回の結果から、適正体重の維持がいかに重要であるかを伝える公衆衛生上のメッセージが広く普及することを期待している」と述べている。

Study Links Diabetes, Obesity in Moms-to-Be to Higher Autism Risk in Kids

[2016年1月29日/HealthDayNews] Copyright© 2016 HealthDay. All rights reserved.

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