1.年末・年始の注意点

 忘年会やクリスマス、新年会と食べたり飲んだりする会食の機会が多くなる年末年始は、いつもできている食事療法や運動療法、服薬、インスリン注射、血糖測定などをうっかり忘れたり、ついおろそかになってしまいがちです。年末年始は、1年のうちで、多くの患者様の血糖コントロールが乱れやすい期間といえます。「仕方がない」と諦めるのではなく、「1年間の総仕上げ」「1年の計は元旦にあり」と気を引き締めたいものです。

医療機関も休む年末年始

 年末年始は、病院も休みに入ります。次回受診日までの薬をはじめ、インスリン、針、血糖測定の物品などが十分かどうか事前に確認しておきましょう。

 日頃から余裕を持った備えがあると、急用などで受診日が延びたときにも役立ちます。

感染症にご注意!

 寒さに加え、生活が不規則になったり、人が集まる場所に行く機会が多くなる年末年始は、風邪を引きやすくなります。またコントロールが悪いと免疫力が落ちるため、感染症(インフルエンザ、風邪、肺炎、胃腸炎など)にかかりやすくなりますので、普段から血糖値が高い方は気を付けましょう。

 感染症予防には、外出時の人込み対策としてマスクの着用、うがいと手洗いの習慣、そして十分な睡眠と休養、バランスの良い食事が大切です。

ひと工夫を見つけましょう!

 薬の飲み忘れ防止にカレンダーを利用するのはいかがでしょうか? 飲んだら日付欄にチェックを入れるのです。チャック付きポリ袋に日付を記入し、1回分の薬をいれる方法もあります。生活リズムを修正するためには、まず自分の体の変化に気づきましょう。血糖値や血圧や体重の数値は見たくないかもしれませんが、あなたを助けてくれる一助になると思います。血糖値、体重、血圧測定をお勧めします。

1日3食のリズムを乱さずに

 年末の忙しさや、お正月の朝寝坊で食事のペースが不規則になりがちですが、日常の3食のリズムを乱さないように心がけましょう。食卓やこたつの上にみかんやお菓子を置かないようにしましょう。目に付くところには食べ物を置かない習慣をつけましょう。ダラダラ食べ続けないように注意しましょう。

仕事は休みでも、私たちの体は年中無休で働いていますので、栄養補給は欠かさず行いましょう。

おせち料理にも時代の波

 おせち料理は、冷蔵庫のない時代に、正月三が日は主婦が台所に立たなくても済むようにとの配慮から、糖分や塩分の濃い味付けになりその習慣が今に残っていますが、昨今は元日からデパートもスーパーも営業しています。少量ずつ作り不足してきたら運動を兼ねて散歩がてら買い出しに行くのはいかがでしょうか。

 重箱を埋めようとすると、どうしても作り過ぎてしまいます。和食器に料亭のように少量を盛り付けると雰囲気も素敵になり量もセーブできます。

おせち料理の注意点

 重箱に詰まった料理を見ると、栗きんとん・伊達巻など甘いものです。さといも・ユリ根・くわいはご飯と同じ炭水化物が多いものです。数の子・かまぼこ・田作りなどはエネルギーが比較的低いですが塩分が多いです。紅白なます・煮しめ・たたきごぼうなどの野菜料理は比較的低エネルギーなので安心して食べましょう。

餅は太ると心得ましょう

 餅は、もち米をふかして突き固めたコンパクトな保存食です。市販の切り餅(角餅)は1つ50g前後で約120キロカロリー。角餅2個までが無難です。「お餅は1つしか食べない」という人によく聞いてみると、自家製でかなり大きかったこともありました。お餅の食べ過ぎに注意しましょう。野菜たっぷりの具たくさんのお雑煮がお勧めです。

アルコールは要注意!

 酒席はコントロールが乱れる大きな原因です。ごちそうとお酒が高エネルギーのためです。「年に1度のことだから」「お年始に行って勧められたら断れなくて」などよく聞きますが、アルコールはきっぱり断りましょう。宴会ではノンアルコールのビールやウーロン茶を水割りのように持って上手に使うのも1つの方法です。

1.飲む相手を選ぶ(お酒をしつこく勧める人は危険人物とみる)
2.お店を選ぶ(野菜の小鉢や低エネルギーメニューなど種類が多い店)
3.計画的に食事、おつまみなどのメニューを選ぶ
4.つきだしにもエネルギーがあるので注意
5.帰宅時間又は飲み会終了時間を決め、はしご酒など長時間飲まない
6.休肝日を週2回とする

どうしても甘いものが食べたい!

 甘いものを食べるのが好きで、どうしてもやめられない方がいます。甘いものを食べない生活が全く苦にならないかたもいれば、なかなか実行できない方がおられるのも事実です。対策として「ルールを作る」「低エネルギー食品に置き換える」「食直後に食べる」が挙げられます。

1.ルールを作る
実行できそうな自分なりのルールを決めて間食の頻度や量をコントロールします。例えば「間食は週2回和菓子にする」など。可能なら周りの方や家族に宣言します。

2.低エネルギー食品に置き換える
「ゼロカロリー」「糖質オフ」などと表示された市販食品をよく目にします。これらの食品は、人工甘味料などを用いて、エネルギーや糖質が少なめに調整されています。「ゼロカロリー」「糖質オフ」などの表示には注意が必要です。「ゼロカロリー」「糖質オフ」などを強調表示といい、健康増進法に基づき、表示に関して定められた基準に満たしたものに表示ができるというものです。少ないからと言ってたくさん摂ってしまうと血糖コントロールを乱す恐れがあります。

3.食直後食に食べる
菓子類を食べる場合、間食よりは食直後、食事の終わりに食べた方が血糖コントロールへの余波が少ないと考えられるからです。

食べ過ぎ、飲み過ぎに注意しましょう

いつでも、どこでも「野菜から先に」、
「よく噛んで」 食べる!

この2つの食べ方を実行するだけでも、急激な食後血糖値の上昇を抑え、食べ過ぎ防止にもなります。
・なます ・サラダ ・煮しめ ・胡麻和えなど

「ながら食べ」をしない

テレビを見ながら、雑誌を読みながらなどの「ながら食べ」は、気づかないうちにカロリーオーバーになりがちです。お菓子を食べたいときは朝食後か昼食後に。

1日1回は外に出る

寒いからといって家に閉じこもらないで、買い物や散歩など、まめに外に出る習慣をつけましょう。

1日に飲む量を決めておき、適量を知る

原則として、アルコールはお勧めできません。もしもの場合は、瓶やボトルなどのように、飲んだ量が分からなくなるような注文はせず、飲み過ぎ防止のためにも、1杯ずつ頼み、しっかりと記録を取るようにしましょう。

果物類の箱買い、大量買いはだめ!

果物の適量はバナナなら1本、りんご・グレープフルーツは1/2個、みかんは小2個、キウイは2個をいずれか1種類。食べるタイミングは朝食か昼食の後で。寝る前は避けましょう。

年末・年始 生活のポイント

 以下のことに気をつけて、楽しい年末・年始を!

  • 酒席はコントロールが乱れる大きな原因です。ごちそうとお酒が高エネルギーのためです。「年に1度のことだから」「お年始に行って勧められたら断れなくて」などよく聞きますが、アルコールはきっぱり断りましょう。宴会ではノンアルコールのビールやウーロン茶を水割りのように持って上手に使うのも1つの方法です。
  • 年末の忙しさや、お正月の朝寝坊で食事のペースが不規則になりがちですが、日常の3食のリズムを乱さないように心がけましょう。食卓やこたつの上にみかんやお菓子を置かないようにしましょう。目に付くところには食べ物を置かない習慣をつけましょう。
  • 餅は、もち米をふかして突き固めたコンパクトな保存食です。市販の切り餅(角餅)は1つ50g前後で約120キロカロリー。角餅2個までが無難です。「お餅は1つしか食べない」という人によく聞いてみると、自家製でかなり大きかったこともありました。お餅の食べ過ぎに注意しましょう。野菜たっぷりの具たくさんのお雑煮がお勧めです。
  • 家で1日中テレビの前で座り切りの三賀日は太るもとです。歩くのが一番手軽ですので、食後30分〜1時間後に、歩いて初詣に出かけるのも1つの方法です。歩くときは30分〜40分続けて歩きましょう。
いつも通り「主食」「主菜」「副菜」を意識しましょう

主食・・・ご飯、お餅、パン類(甘くないパン)、麺類、炭水化物が中心です。
主菜・・・肉類、魚類、卵や大豆製品を中心にしたおかずです。たんぱく質が中心です。
副菜・・・野菜やきのこ類、海藻類が中心のおかずです。ビタミン・ミネラルが中心です。
 これら「主食」「主菜」「副菜」がそろうと、食事はバランスがよいと言われます。
 日本は春夏秋冬の四季があり、食材にも旬があります。特に旬の野菜はおいしく栄養価も高いです。

  1. 1.らだを動かしましょう。『食べたら動きましょう』
  2. 2.べ過ぎない腹8分目を心がけましょう
  3. 3.つもと同じ規則正しい食生活を送りましょう
“か  た  い”  決意で一年を過ごしましょう


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