宇都宮一典 先生

 日常の糖尿病コントロールの状態を知るには、血液から測定する「血糖自己測定(SMBG : Self Monitoring of Blood Glucose)」を行うほかに、尿から測定する「尿糖自己測定(SMUG : Self Monitoring of Urine Glucose)」という方法があります。

 尿糖測定は、試験紙や測定器に尿をかけると、尿中に排泄された糖の値がわかるというもので、自宅で誰でも手軽に使用できる測定法として広く活用されてきました。尿糖測定で得られる結果は、2型糖尿病患者さんに多い食後高血糖の把握にも優れており、“療養生活の通信簿”として、患者さん自身のモチベーションアップにも活用できます。

  • 診療のたびにヘモグロビンA1cが下がらないと言われてしまう方
  • 我慢とリバウンドを繰り返してしまう方
  • 食事や運動の効果を自己チェックしたい方

 そんな患者さんの糖尿病コントロールの目安となる1つの選択肢として、尿糖チェックを活用していただければと考えます。

 この連載では、尿糖測定の具体的な活用事例をご紹介しながら、その有用性について、さまざまな角度から探っていきたいと思います。今まであまり知られていなかった、新鮮な活用例もあると思います。本稿が、患者さんと、療養指導を行う医療スタッフの一助になれば幸いです。

尿糖検査はこのようなときに役立ちます

医療スタッフの患者さん指導時に

  • 食事や運動療法の効果が日常生活のなかでチェックできたら、患者さんの意識向上になるのに・・・
  • 食事・運動療法の指導だけでは、患者さんに納得してもらえない
  • 食事療法など、指導の裏付けとして、何か目安がほしい
  • 糖尿病予備群の保健指導対象者へ、早期発見のために勧められる自己チェック方法がほしい

糖尿病患者さんとその予備群の方に

  • 血糖自己測定をしたいけれど、インスリン療法を行っていないので保険適用外(自費)
  • きちんとヘモグロビンA1cを下げたい
  • 仕事柄、穿刺で指先を傷つけることはできない
  • 痛いのが苦手
  • 医療費を節約したい

※2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わされるようになりました。過去のコンテンツの一部にはこの変更に未対応の部分があります。

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